母との電話をしていた時に、そばで会話を一緒に聞いていた父が
私にふと放った言葉だ。
父は根っからの仕事人で、
私が物心ついた頃には単身赴任で寮に住みながら仕事をしていたため
3ヶ月、もしくは半年に1回帰ってくるというスタンスで、
家に帰っても父が居ないことが普通だった。
私が上京してからは更に会う回数は少なくなり
今まで生きてきた中で物理的に接した数は、
他の家族と比べるとかなり少ない方だろう。
家族旅行もほとんどしたことがなく
小さい時はそれが寂しいと感じた時期もあったが、
行きたい学校に行けて、やりたい習い事や部活もさせてもらって
何不自由なく過ごさせてもらったこと、
またお金を稼ぐということが、いかに簡単ではないということを
社会人の頃に痛感してからは、父の凄さを改めて感じているし、
今でもずっと尊敬している。
そんな父からの何気ない一言は、
今の私にとって、とても印象的で心に刺さる言葉だった。
頑張る必要なんてない。
頑張っても人生なるようにしかならない。
頑張ったって解決しないこともある。
けど、踏ん張ること、耐えることは
物事を継続する上でとても大切だと。
口下手で頑固者で不器用な父だが、
生きる上で大切なこと、働く上での厳しい状況を
何度も乗り越えた経験をしてきたが故の深い言葉だと思った。
父よ、ありがとう。
私はあなたの娘として生まれたことが幸せです。
娘は今日もむくむくと耐えるぞ。